サーブレットだけで直接HTMLに書き込もうとすると作業量の多さが難点になります。
画面イメージを変更する場合は、 毎回ソースの変更→コンパイル の必要があります。
JSP(JavaServer Pages)を使用すれば、この問題が解決できます。
JSPはHTMLの中にHTML拡張タグを使ってJavaコードを直接書き込んだものです。
サーバに格納したJSPファイルに記述されたHTMLはそのまま、
Javaコードはサーブレットにコンパイルされて、 ブラウザに投げられます。
JSPエンジンにはTomcatを使用することにしました。
Tomcatは、単体でWebサーバとしてサーブレットとJSPを動作させることができるほか、
Apacheにアドオンモジュールとして組み込んで使用することもできます。
Tomcat3.1のインストール方法をまとめてみます。
Tomcat 3.1 インストール手順
1. ダウンロードURL
1)ソースコード http://jakarta.apache.org/downloads/sourceindex.html
2)バイナリ http://jakarta.apache.org/downloads/binindex.html
の3種類の手段がありますが、ここでは 1) ソースコード のインストールについて記述します。
ダウンロードしたファイルはusr/local上にコピー後、ファイル名を変更します。
jakarta-ant_tar.tar → jakarta-ant.tar.gz
jakarta-tomcat_tar.tar → jakarta-tomcat.tar.gz
2. ソースコードからのインストール
1) アーカイブを展開する。
/usr/localに「tomcat3_1」ディレクトリを作成し、アーカイブを展開します。
(tomcat3_1は、展開用のディレクトリ)
$ cd /usr/local/ tomcat3_1
$ tar zxfv jakarta-ant.tar.gz
$ tar zxfv jakarta-tomcat.tar.gz
すると、展開したディレクトリ tomcat3_1 に jakarta-ant, jakarta-tomcat
二つの ディレクトリが 現れます。
2) コンパイルの準備
コンパイルするにあたって HOME, JAVA_HOME 二つの環境変数が使われますので
$ echo $HOME
$ echo $JAVA_HOME
上記コマンドで正しく設定されていることを確認します。
もし、 設定されていないか、 変更したい場合は
$ export HOME=/home/%username%
$ export JAVA_HOME=/usr/local/jdk1.2.2
(Java2 SDK1.2.2 がインストール済であること) とします。
もう一つ、コンパイル時に Tomact は自分で javac を 呼び出しますので
sun.tools.javac.Main クラスが 入っている tools.jar へのCLASSPATH
を設定します。
/home/%username%/.javaenv に設定
export CLASSPATH=.:/usr/local/jdk1.2.2/lib/tools.jar
:/usr/local/jdk1.2.2/lib:/usr/local/jdk1.2.2
:/usr/local/servlet2.2/servlet.jar:/usr/local/jsdk2.1/servlet.jar
CLASSPATHの設定順によっては、コンパイルできないことがあります。
この順番に設定するとコンパイルできました。
3) コンパイル
$ cd jakarta-ant
$ ./bootstrap.sh
$ ./build.sh
$ cd ../jakarta-tomcat
$ ./build.sh
というように jakarta-ant ディレクトリで 2つのスクリプトを実行したら、
jakarta-tomcatディレクトリでスクリプトを一つ実行し、コンパイルは終了です。
コンパイルが無事に終っていれば tomcat3_1 に build ディレクトリが作られて、
$tomcat3_1/build/tomcat 以下に Tomcat 一式が そろえられます。
$tomcat3_1/buildの下にできた tomcat ディレクトリ以下を、
/usr/localへコピーします。
3. 起動
$tomcat/bin に、起動のためのスクリプト startup.sh が用意されていますので
これを使って起動します。
$ ./startup.sh
で起動できます。 このスクリプトは JAVA_HOME 環境変数か
java インタープリタ(java コマンド)へのパスのどちらかが
設定されていることを想定していますので、
見つけられるようになっていれば起動できます。
4. 停止
起動同様、$tomcat/bin に、停止のための スクリプト shutdown.sh
が
用意されていますのでこれを使って停止します。
$ ./shutdown.sh
5. セットアップ
Tomcat のセットアップファイルには次の3つの形式があります。
*.xml(*.dtd) : Tomcat そのものに関係する設定
*.conf : アドオンする Web サーバに組み込むための設定
*.properties : Web サーバから参照する Tomcat の設定
1) /usr/loca/tomcat/conf/server.xml
port 値の変更が必要な場合があります
2) /usr/local/apache_1.3.12/conf/httpd.conf
最終行に次の1行を追加
Include /usr/local/tomcat/conf/tomcat.conf
3) /usr/local/tomcat/conf/tomcat.properties
に wrapper.classpath を追加
wrapper.classpath=/usr/local/apache_1.3.12/beans
6.サーブレット・クラス・JSP を置く場所
<サーブレット・クラス>
/usr/local/tomcat/webapps/examples/WEB-INF/classes/
<JSP> /usr/local/tomcat/webapps/examples/jsp/
<JSPをコンパイルする時、使用されるワークファイル>
/usr/local/tomcat/work/localhost_8080%2Fexamples/jsp/ディレクトリ
<アプレット・HTML> /home/ユーザ名/public_html/*.class
or *.html
(参考文献 技術評論社刊 『JAVAPRESS』12号)
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